
こんにちは、大林(プロフィールはこちら)です。
先日、書籍「ワーク・シフト ─孤独と貧困から自由になる働き方の未来図<2025>」を読みました。
これからの働き方について、多くのヒントを得られたので、シェアしますね。
「変化の時代」の働き方とは?
ここ数十年で、世界は目まぐるしく変化しています
例えば、今あなたの手元にあるスマートフォン。
ほんの10年ほど前まで、誰もスマホがここまで普及することを、予想すらできなかったでしょう。
今後はもっと、時代の変化は大きくなっていきます。
人工知能・AIなどの影響もあり、その変化は加速度的に速くなっていくでしょう。
産業そのものが、どんどん移り変わっていきます。
「昨日まで必要だった産業が、他の産業に取って代わられる」ということも、頻繁に起こってくるでしょう。
そうなると、「1つの会社にとどまり続ける」ということは、どんどん少なくなっていくでしょう。
(実際、今でも転職業界が右肩上がりに成長していることからも、この傾向が強くなっていることが分かります)
これまでの働き方(親世代・先輩・上司)の働き方は、参考にならなくなっていきます。
あなた自身の「幸せな働き方」を見つけよう
自分にベストな働き方を、自分で見つけ出す必要があります。
他人から与えられた生き方・働き方では、一時的に安心するかもしれませんが、そこに幸せはありません。
人間にとって、「働く」というのは、人生の大きな要素の一つと言えます。
働き方が、自己実現や幸せにも関わってきます。
「幸せな生き方・働き方」「充実した人生」を送るためのヒントを得られればと思い、この本を読むことにしました。
組織構造が大きく変わる
これまでは「ピラミッド型の組織×ゼネラリスト」
これまでの働き方は、「ピラミッド型の組織×ゼネラリスト」という形になっていました。
特徴としては、以下のような感じです。
- 指揮系統をハッキリさせるために、「部長、係長」などの明確な上下関係を設け
- 広く浅いスキルを身に着けた人(ゼネラリスト)が重宝された(組織の様々な部分に転用できるため)
この構造は、言ってみれば「会社都合の組織構造」と言えます。
ゼネラリストをメインにし、極力”個人”に依存しない組織構造にしたほうが、生産性も上がりますし、リスクヘッジになるからです。
しかし、この構造が、徐々に変化しつつあるのです。
これからは「水平型のコラボレーション×連続スペシャリスト」
これからの働き方は、「水平型のコラボレーション×連続スペシャリスト」へとシフトしていきます。
連続スペシャリストとは、「複数の専門分野において、高度な知識・スキルを身に着けた人材」のことを指します。
ではなぜ、連続スペシャリストが求められるのか?
理由は2つあります。
(理由1)AI・人工知能が、ゼネラリストを駆逐する
これからの変化の時代において、求められるスキルは、どんどん変わっていきます。
その中で、広く浅い知識だけのゼネラリストは、AI・人工知能に取って代わられていきます。
知識を知っているだけなら、AIや人工知能の方が、人間よりも遥かに優秀です。
すぐにインプットできますし、絶対に忘れません。
その意味で、ゼネラリストには居場所がなくなっていきます。
(理由2)ゼネラリスト的な分野は、安い労働力に取って代わられる
近年、発展途上国に労働力を求める企業が増えつつあります。
その方が、企業にとっても人件費を安く抑えられるので、好都合なのです。
そうなると、ゼネラリスト的な分野は、どんどん安い労働力に置き換えられていくでしょう。
この後お話しますが、連続スペシャリスト同士がコラボレーションすることで、これまでにはないイノベーションが生まれてきます。
上記のような理由から、連続スペシャリストが求められる時代になっていく、ということです。
これからの働き方:ポイント×2
(1)個人レベルでは「連続スペシャリスト」を目指す
複数の「好き」「ワクワク」を極めよう
「好きこそものの上手なれ」とも言いますが、人間は、好きなこと(ワクワクすること)をしている時に、一番力を発揮できます。
アメリカの小説家、ジョン・スタインベックも、こんな言葉を残しています。
天才とは、蝶を追っていつのまにか山頂に登っている少年である
そして、その中でも、複数の分野(好きなこと、ワクワクすること)を極めていくことが重要になります。
なぜかと言うと、「特定の1つの分野だけで抜きん出るのは、難しいから」です。
(詳しくは、藤原和博さんの著書『必ず食える1%の人になる方法』に書かれています。)
どんな分野でも、頑張ればなんとか100人に1人の逸材にはなれるでしょう。
しかし、その1つの分野を極め続けて、1000人に1人、1万人に1人、を目指していくのは、かなり大変です。
同じ分野の人と、モロに競争して、勝ち抜かなければならないからです。
そうではなく、複数の分野を掛け合わせれば良いのです。
例えば、2つの分野でそれぞれ100人の1人の才能を発揮できたとしましょう。
これが2つあれば、単純計算、「100分の1×100分の1=1万人に1人」の貴重さになる、ということです。
しかも、分野の掛け合わせ方は人ぞれぞれなので、ここに個性が発揮されます。
例えば、「鉄道」が好きなAさんとBさんがいたとしましょう。
「鉄道」という分野だけで戦おうとすると、2人は競合します。
しかし、例えばAさんは、「鉄道」に加えて「カメラ」ことが好きだとしましょう。
そうなったら、例えばAさんは「鉄道カメラマン」の道が拓けますよね。
そして、例えばBさんは、「鉄道」に加えて「旅行」が好きだとしましょう。
そうなったら、例えばBさんは「世界の珍しい鉄道の旅」をウリにした旅行パッケージを企画して、大ヒットするかもしれませんよね。
AさんとBさんがコラボレーション出来る部分も、きっとあるでしょう。
このように、複数の分野を掛け合わせることで、「個性が際立ち、競合しなくなる」のです。
忙しくしすぎないこともポイント
この後もお話しますが、イノベーションを発揮したり、自己内省をするためには、ある程度時間の余裕が必要です。
また、複数の分野を極めるには、それぞれの教育に投資する時間も必要になります。
そうなると、「忙しくしすぎない」ことがポイントになります。
脳は、リラックスしている時に最高のパフォーマンスを発揮してくれるのです。
(2)連続スペシャリスト&AIが共同し、イノベーションを生み出す
連続スペシャリストでも、1人でできることには限りがある
現在、地球上で、解決すべき問題は山積みです。
思いつくものをザッと羅列するだけでも、以下の様なものがズラズラ出てきます。
- 環境問題
- 教育
- 貧困
- 医療
- 宇宙開発
- エネルギー
- コミュニケーション
今後も、人間の課題・悩みは尽きないでしょう。
こういった課題を解決するためには、1人の力だけでは足りません。
連続スペシャリスト同士だけでなく、AIや人工知能も共同することで、イノベーションを生み出していく必要があるのです。
AI・人工知能との役割分担
よく、「AIや人工知能が発達することで、人間の仕事がどんどん奪われる」と言われます。
確かに、職業レベルで入れば、人間がやる必要のないものがどんどん増えていくでしょう。
しかし、これは良いことなのです。
逆に考えれば、「人間は、人間のすべき役割に集中できる」ということだからです。
ここで考えるべきなのが、「人間」と「AI・人工知能」の役割分担です。
「人間」と「AI・人工知能」には、以下のような違いがあります。
AIが得意なものとしては、以下の様なものが挙げられます。
- 知識
- 作業
- 解析
- 診断
- 情報収集、など
一方、人間が得意なものとしては、以下の様なものが挙げられます。
- アイデア
- イノベーション
- 最終的な意思決定
- 共感
- ホスピタリティ
- 芸術
- リーダーシップ、など
これらの違いを活かして、上手く協力していく必要があるのです。
正解よりも納得解(例:二酸化炭素の削減)
例えば、「二酸化炭素の削減方法」について考えてみましょう。
AIに指示されても、人間は動かない
AIが発達して、世界中の二酸化炭素の情報を収集したとします。
そして、具体的な削減プログラムを見つけたとしましょう。
では、AIが人間に「二酸化炭素を減らすには、この削減プログラムが最適なので、実行してください」と言ったところで、人間は動くでしょうか?
おそらく、動かないと思います。
削減プログラムを実施するということは、各自に何かしらの負担を強いることになるでしょう。
確かに理論上は「そうすべき」だとしても、人間が「そうしよう」と納得できるか?は、別問題なのです。
人間のリーダーシップ、共感が重要になる
この時に、人間の力が必要になります。
人間は、リーダーシップを発揮できます。
例えば、大規模な講演を行うことで、皆の共感を得て、「大変だけどやり抜こう!皆で協力しよう!」という意志をまとめられるかもしれません。
また、AIが提示したベストな正解ではなく、皆が納得できる納得解を導き出すのも、人間の役割です。
このように、お互いの良い部分を持ち寄って、協力して課題を解決していくことが必要になってきます。
働き方を改革するために。人間に求められるもの×3
(1)個性を伸ばし、「競走⇒共創」していく
人間それぞれが持っている「個性」を伸ばすことは、これから重要になってくるでしょう。
私は、「複数の専門分野(各自が好きな分野・ワクワクして取り組める分野)を極め、掛け合わせることで、個性が伸びていく」と考えています。
先ほど言ったように、1つの分野だけ極めようとしても、芸がありません。
多くのライバルと競走することになります。
そうではなく、複数の専門分野を極めていく。
各自が好きな分野・ワクワクして取り組める分野を見つけ、そこに注力する。
そうすることで、個性が際立っていくのです。
言ってみれば、「●●をやっている大林です」ではなく、「大林そのものが職業」みたいな感じです。
「職業は自分です」のような状態が、「個性が伸びている状態」だと思います。
(2)哲学的な学びが重要視されていく
AI・人工知能が発達することで、人間はより、人間らしい活動に専念できます。
そうなると、「自分自身を知る」ということの価値が、より高まってくると思います。
- 自分にとっての幸せとは?
- 何のために働くのか?
- 自分の価値観は何なのか?
- 何が好きなのか?何に興味があるのか?
こういった哲学的な疑問を持ち、各自が自分の価値観をハッキリさせていくことが大事になってくると考えています。
「哲学」と聞くと難しそうなイメージを持たれがちですが、私はそんなことはないと思っています。
哲学し、自分自身を掘り下げていくことで、夢や幸せを実現できるのです。
個人的に、哲学的なことを考えるのが好きなので、こういった教育が広まっていったらいいなぁ、と思います。
(3)教育への自己投資の重要性が高まる
個性を伸ばすのも、哲学的なことを学ぶのも、いわば「教育」です。
今後は、自分自身で積極的に、自分の教育に投資していくことが重要になっていきます。
アメリカ建国の父とも言われている、ベンジャミン・フランクリンは、このような言葉を残しています。
財布の中身を全て脳に注ぎこめ。
そうすればやがて、脳が財布を満たしてくれるだろう。
この言葉は、教育の大切さを物語っています。
自己投資は、最も利回りの良い投資です。
失敗してお金を失うこともありませんし、他人にも盗まれません。
すべてを失っても、あなたの脳はあなたのものです。
まとめ:波にのるように、変化を楽しもう
私は、変化が激しい時代に、すごくワクワクしています。
進化論で有名なチャールズ・ダーウィンの名言に、こんなものがあります。
最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるでもない。
唯一生き残るのは、変化できる者である。
変わらないことが安定なのではなく、変わることこそ安定なのです。
この変化の時代を、波乗りを楽しむようにエンジョイしていきたい。
そう思います^^
※追伸:
関連書籍として、『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略』についても、以下のページでまとめています。
ぜひご参照ください。
>> 本『ライフシフト』100年人生を生き抜く「教育」のポイント×7
WORK SHIFT(ワーク・シフト) ─孤独と貧困から自由になる働き方の未来図<2025>
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