
こんにちは、大林(プロフィールはこちら)です。
先日、「超訳:種の起源」という本を読みました。
ダーウィンの進化論を、分かりやすく解説している本です。
学問としてだけではなく、ビジネス(仕事)や、幸せな人生を送る上でも役立つ気付きが得られたので、シェアします。
(レビューを書くだけなら、あらすじを読めば済むことですからね^^;)
目次
「進化論」は、仕事や幸福度アップに役立つ
生物は、長い時間をかけて進化しています。
そして、人間も生物の一種であり、自然の一部です。
であるならば、進化の仕組みや原理原則を理解することで、「生き方」「成長」「自己実現」のヒントが得られるのではないか?
そう感じて、この本を読むことにしました。
実際私は、自分自身のいろいろな経験を通じて、「自然の仕組みを理解すること」は、ビジネスや、個人の幸福度アップにも役立つように感じています。
大自然に学ぶ、仕事・幸福度アップのポイント×5
(1)「変化」できるものが生き残る
『最も強い者が生き残るのではなく、
最も賢い者が生き延びるでもない。
唯一生き残るのは、変化できる者である』
~チャールズ・ダーウィン~
環境は、常に変化しています。
その中で生き残るには、自分自身も変化していく必要があります。
例えば、生物を見てみると、際限なく大きくなり続ける生物はいません。
象も、クジラも、犬のような生物も、ある程度の大きさで身体の成長が止まります。
まるで、大きくなり過ぎるのを、意図的にセーブしているかのように。
際限のない増収増益は、本当に幸せだろうか?
ではこれを、ビジネス(仕事)で考えてみると、どうでしょうか?
例えば、世間一般の常識で言えば、会社は、増収増益を良しとする傾向にあります。
毎年、売上や利益が伸びている会社は、優秀な会社であると評価されます。
しかし、それは本当に幸せにつながっているのでしょうか?
際限ない右肩上がりの業績を目指すのは、短期的に見れば良さそうだが、将来的に良い結果を生むのでしょうか?
例えば、無理な成長でストレスを抱え、健康を害したり、家族との関係が悪化してしまうのは、幸せと言えるでしょうか?
大自然の進化の観点からみると、「大きくなり続ける」よりも、「足るを知る」「変化できる柔軟性を維持する」というスタンスの方が、長期的に見て幸福度が高まるのではないか?
進化論を読んで、そう感じました。
(2)進化に方向性はない
よく、「進化は、”理想の完全体”のようなものを目指して進んでいる」と思われがちです。
例えば、ポケモンのように、最終進化形があって、そこを目指して進化している、といったイメージです。
しかし、自然界で言う進化は、そういう意味合いではありません。
単純に、「その環境に最も適応できたものが生き残る」というだけです。
何かを目指して進化しているわけではないのです。
つまり、環境が違えば、進化の仕方も当然多様になっていくのです。
「進化」というよりも、「変化」に近いのですね。
実際、ダーウィンも、著書の中では「変化」という表現をよく使っています。
「より多く・より速く・より大きく=幸福」とは限らない
「進化に方向性はない」という観点から見ると、皆が皆、同じ方向を目指せばいいってものではない、ということが分かります。
これは、人間の幸福度についても、同じことが言えると感じます。
「これを手に入れたら幸せ」「こうなったら幸せ」のような、画一的な幸せはない、ということです。
それぞれが、それぞれの環境の中で適応し、幸せを目指せばいいのです。
- 個人事業主が、大企業と比べて価値が無いという訳ではないのです。
- 売上や収入で、会社や個人の価値が決まる訳ではないのです。
- そもそも、ここでいう「価値」というのは、世間一般からの評価であって、本人が幸せかどうか?には全く関係ないのです。
ミニマリズム(断捨離)という考え方もありますが、これはまさに「より少なく」という方向です。
「どれが良い・どれが悪い」という話ではなく、それぞれが、それぞれにあった方向を目指せばいいのです。
(3)生物は、今も進化途上。未完成である
環境は、常に変化を繰り返しています。
そして、どんな生物も、環境に合わせて日々変化し続けています。
つまり、生物は、今でも進化途上だということです。
環境が変化し続ける以上、「完成する」ということはなく、「永遠に未完成」なのです。
この「永遠に未完成」という考え方を読んで、偉人の名言を2つ思い出しました。
ディズニーランドが完成することはない。
世の中に想像力がある限り進化し続けるだろう。
~ウォルト・ディズニー~
私の最高傑作は、次回作だ。
~チャップリン~
ディズニーもチャップリンも、「常に進化し続ける」という気持ちがあるからこそ、多くの人に愛され、選ばれるのだと感じました。
現状維持は、後退と同じ
そう考えると、「現状維持」は後退と同じだ、とも言えます。
周りの環境が変化しているのに、自分が変化しないとしたら、徐々にその環境に適応できなくなっていく訳です。
これはつまり、相対的に見て、後退していることになります。
これは何も、「常に上を目指さなければならない」という意味合いではありません。
先ほど言ったように、進化に方向性はない訳で、全員が同じ方向を目指すのは、ある意味不自然です。
そうではなく、「周りの環境に合わせて、自分の価値観と照らし合わせ、より良いと思われる方に積極的に変化していこう」ということです。
(4)退化も進化である
例えばモグラは、目が退化しています。
これは、モグラが土の中で生活しているので、目が不要になったからです。
不用な器官を残しておくことは、それだけ余分なエネルギーを使うことになります。
であるならば、余分な器官は切り捨てて、エネルギーを節約したほうが、生存競争に有利になれるのです。
一見すると、「目がある生物のほうが優れている」と思われがちですが、そうではないのです。
これも、その環境で生き残るための、一つの進化の形なのです。
押し付けられた価値観に惑わされない
世の中の価値観は、「より多く!より速く!より大きく!」を求めがちです。
例えば、超一流のコンサルティング会社で働いていたのに、突如退職して、田舎暮らしを始めた人がいたとしたら。
周りは、その人をどう評価するでしょうか?
多くの場合、「収入が減って不幸せになった」「出世レースから脱落した」といったような、マイナスの印象を持たれるでしょう。
確かに、表面的に見れば、収入は減るかもしれません。
つまり、退化しているように見えるかもしれません。
しかし、その人の価値観が、収入には全く無く、田舎暮らしを心から幸せに感じていたとしたら?
それは、その人にとって、いい選択だったと言えるでしょう。
人間の幸福度は、「量」だけで判断できるものではありません。
その「質」が、その人の価値観に合っているかどうか?の方が、幸福度への影響力が強いのです。
世間から見ると、一見「退化」に感じられても、その人にとっては紛れもなく「進化」なのです。
(5)ミスがあるからこそ、進化できる
ものすごく単純に言うと、進化は、「遺伝子のミスコピー(突然変異)」によって起こります。
多くの場合、このミスコピーは、その生物の生存競走に役立たないので、その代だけで滅びます。
しかし、稀に、このミスコピーによって、生存競争に有利になる場合があるのです。
すると、その種がどんどん栄えていきます。
これが、「進化」の仕組みなのです。
つまり、「ミスがあるからこそ、進化できる」とも言えます。
ミス(失敗)は、成功の一歩手前
ビジネス(仕事)で考えてみると、例えば、3Mのポストイット(付箋)も、ミスがあったからこそ生まれた商品です。
当初、3Mの研究者は、接着力の強い接着剤を開発しようとしていました。
しかし、「よくくっつくが、簡単に剥がれてしまう」接着剤ができてしまったのです。
普通は失敗だと思われて捨てられてしまうが、3Mはここに目をつけて、ポストイットを商品化したのです。
このように、ビジネスの世界でも、ミスがあったからこそ生まれる商品があるのです。
自然の摂理から言っても、「ミスには可能性があるんだなぁ」と感じました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
この本「超訳:種の起源」を読んで、あらためて、「自然から学べることはたくさんあるなぁ」と感じました。
※「自然から学ぶ」という観点で、以下の記事も参考になると思います。
>> 人生の停滞期には意味がある。その理由と脱出法
私自身、進化論などの自然の摂理を知って、仕事やプライベートの価値観が大きく変わりました。
- 「大きいか」よりも「幸せか」
- 「速いか」よりも「丁寧か」
- 「儲かるか」よりも「楽しいか」
最近は、こんな価値観↑で生きています。
このレビューが、あなたにとっても何かしらの気付きになったら幸いです。
なお、進化論についてサラッと学びたいなら、以下のマンガもお勧めです。
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